試験の方法
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試験に参加いただくと、強化療法群か従来治療群かのいずれかに五分五分の割合でランダムに(作為の入らない方法で)割り付けられます(この方法は、どちらがよいかわかっていない治療方法を調べるためには最もよい方法とされ、世界中の臨床試験で採用されています。)どちらの治療方法になるかは患者の方も担当医師も選ぶことはできません。
従来治療群に入った場合には、血管合併症の発症を低く抑えるために、現時点で標準と考えられている治療を受けることになります。
強化療法群に入った場合には、血糖、血圧、脂質をより正常値に近づけるために、従来療法よりも強化された食事療法や運動療法を実施し、薬物療法では血糖、血圧、脂質それぞれについてコントロールの様子をみながら、段階的に治療を強化します。治療の内容は、お身体の様子や食事療法、運動療法の実施状況をみながら決めていきますが、たとえば、食事療法や運動療法、内服薬を服用しても、血糖値が目標とする値(*HbA1cが5.8%未満)にならなかった場合は、インスリン注射を行う場合もあります。 |
*HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):過去1、2ヶ月間の平均血糖値を反映し、血糖コントロール状態の指標となります。 |
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従来治療群に割り付けられた患者様も、強化療法群に割り付けられた患者様も、定期的に通院し、血液検査などを行い、担当医師、看護師、管理栄養士の指導を守っていただきます。また、全員に血圧計と加速度計(運動量の記録計)をお貸しいたしますので、定期的な測定結果を報告いただくことになります。
特に強化療法群の患者様には、
- 体重測定 :毎日、同じ時間に測定していただきます。
- 食事療法 :管理栄養士による栄養指導を守っていただき、間食や夜食の禁止、お酒を控えていただく(日本酒で1日1合程度)よう徹底していただきます。
- 運動量の記録:担当医師や看護師などの指導を守って運動して、お貸しした加速度計で毎日の消費カロリーや歩数を測定していただきます。
- 血糖値の記録:血糖測定器をお貸しし、毎日の血糖値を測定していただきます。
- 血圧の測定 :お貸しした血圧計で毎日、同じ時間に血圧を測定していただきます。
- 禁煙 :禁煙の指導を受けることになります。
これらの結果を担当医師に報告いただき、治療を進めていくことになります。 |
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