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ご挨拶

 このホームページを訪れていただいた糖尿病患者の皆様、そのご家族、医療従事者の方々、この研究(糖尿病合併症予防のための戦略研究:J-DOIT3)に関心を持っていただき有り難うございます。研究リーダーの東京大学附属病院糖尿病・代謝内科教授、門脇孝です。

日本は男女ともに世界の最長寿国(2006年版「世界保健報告」WHO) となりましたが、反面、これまでどの国も経験したことがないスピードで超高齢化社会を迎えようとしています。このため、なるべく多くの人が高齢になっても健康な生活を送ることが出来るようにすることが、日本の社会全体の「健康」のためにも必要になってきています。そこで、厚生労働省は「健康フロンティア戦略」を策定して平成17年より26年までの間で、「明るく活力ある社会」と「健康寿命(一生の中で病気がなく生活できている期間)」の延長を目指して、糖尿病を含む8疾病の予防・改善を目的する大規模臨床研究を実施することにしています(これらの研究の仕組みや内容に関しては、このホームページに載せましたのでご参照ください)。その中の1つが、この研究(糖尿病合併症予防のための戦略研究:J-DOIT3)です。他の2つの研究「2型糖尿病発症予防のための介入試験」、「かかりつけ医による2型糖尿病診療を支援するシステムの有効性に関するパイロット研究」(これらは対象とする方や研究施設もこの研究とは異なります)と合わせて「糖尿病予防のための戦略研究」といい、糖尿病の発症や合併症を予防する方法を見つけるための研究です。

では、何故糖尿病が現在の日本で問題といわれているのでしょうか? 糖尿病の患者数(2002年:約740万人、2020年の予想:約1400万人)は、近年増加する一方です。現状のままでは、糖尿病の3大合併症と呼ばれる細い血管の障害(神経症・網膜症・腎症)が増加し、それに伴うQOL(quality of life:生活の質)の低下、具体的には失明(後天性の失明理由1位)や透析(透析導入理由の1位)、壊疽による下肢切断などを生じる割合が増えることが予想されます。また、死亡率の高い大血管合併症(心筋梗塞、脳卒中)による、健康寿命の短縮、医療費の増大、労働力逸失による経済損失増、など国家的不利益の増加も心配されています。残念ながら大血管合併症を有効に抑制する方法は、国内外を問わず確立されていないのが現状です。

そこでこの研究では、北は旭川から南は宮崎までの81の我が国の糖尿病治療をリードする大学病院、公的病院、私立病院を研究実施施設として、2型糖尿病患者様約2500名に御参加いただいて、直接生命を脅かす大血管合併症を有効に抑制する新しい治療方法を見出すことを目標にしています。この研究では、参加していただいた患者様を、現在の標準的な治療(従来療法)を受けていただく方と、さらに良い数値目標を目指した治療(強化療法)を受けて頂く方に分けて、心筋梗塞、脳卒中といった合併症の発症を約7年間で30%抑制しようという試みです。強化療法を受けていただく方には、今まで以上に食事療法や運動療法に力を入れていただきますし、もし目標に達しない場合にはあらかじめ定められたメニューに則ったお薬の治療も受けていただきます。どちらの治療群に入るかは患者様ご自身および担当医師も選ぶことはできません。ご興味を持って頂けましたら、参加にいくつかの基準がありますのでご自身に当てはまるか担当の医師やサポートセンターにご相談ください。そして、参加された暁にはぜひ、一緒に糖尿病の合併症を有効に抑制する新しい治療法を作り上げてまいりましょう。

すでにご参会いただいている患者様には、分担研究者一同より心より御礼申し上げます。この研究は世界でも類を見ない大規模な糖尿病合併症抑制のための研究です。この目標の達成には、ご参加いただく皆様お一人お一人の糖尿病合併症を起こさない、進ませないというこれまで以上の熱意が必要となって参ります。皆様の診療を通じて糖尿病に関する新たな治療指針が世界に向けて発信できるよう、皆様と手を携えて主治医をはじめとする医療チームが一丸となって診療にあたります。このホームページを大いに活用して、ご自身の血糖・血圧・脂質のコントロールにお役立てください。

最後に、このホームページをご覧の医療従事者の方々にお願い申し上げます。もし御診療されている患者様で本研究に参加ご希望の方がいらっしゃいましたら(適格基準は、このホームページをご覧になるかサポートセンターまでご連絡いただけますよう御願いいたします)、大変お手間をおかけいたしますがお近くの研究参加施設にご紹介いただければと存じます。
では、皆様のご協力で7年後には新しい糖尿病治療の指針をこのホームページでご報告できるよう、全参加施設のスタッフ一同で努力して参りたいと存じます。
糖尿病合併症をなくすために、“Let’s DOIT!”

J-DOIT3研究リーダー
門脇 孝

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